時代

ハッピーハロウィン!早い。コスプレがここまで市民権を得るとは驚きだ。皆どこかに変身願望があるのだろう。見てください、俺の、変身!って感じで。


上記セリフはクウガの主人公、五代雄介(演・オダギリジョー)の確か、第2話のセリフだ。燃え盛る教会で怪人を前に、優しい男が皆の笑顔のために戦う事を決意して叫ぶシーン。オダジョー、よかったなあ…人によっては、平成ライダークウガで始まり、そのまま完成していると言われる。もちおはそんな決めつけは好きでは無いが、クウガは確かに、そんな意見もあって仕方ない、と頷くぐらいよくできている。


ドラマ部分に重きを置きすぎて、30分中最後の2、3分しか変身していない回がよくある。スポンサーからはかなりつつかれたらしい。実際に街中に未確認生命体が現れたら、警察はどうするか?というともすれば置いておかれがちなテーマを、徹底した取材で描きだしている。パトカーのどちらのドアから乗り込むか…という所からして拘っているらしい。全編通して刑事ドラマに近い。


また敵怪人は蘇った古代人という設定で、独自の言語、グロンギ語を話す。これに字幕がいっさい無いため、敵側の意図がわからず、それは劇中の登場人物も同じ。このおかげでネタバレが限定的で、かつリアリティも失わない。


怪人の目的はルールにのっとった人間狩りで、殺し方はバラエティに富み、恐ろしい。日曜朝8時に生首が転がり、トラックで執拗に轢き殺し、女子高生が爆発し、高校生の頭の中で針が肥大化して四日かけて死に、それを恐れた友達が飛び降り自殺…


よく放送できたな…まあ当時からクレームは凄かったらしいが。平成ライダーでトラウマをあげるスレにでも行けば、大げさでなく7割クウガだ。ただし…


リアリティを追求し、それまでの特撮作品にアンチテーゼを投げかけ、なんならメインターゲットの子供まで置き去りにする回もあった結果、クウガはそれまでのライダーのみならず、特撮全体の中でも一大傑作となった。要は大人のファンを掴んだ。


商業的にどれほどの成功だったかはわからない、第1何を隠そう、もちおはリアルタイムの視聴者ではない。18歳ぐらいだったが、ブラックRXのあと10年たち、もはや他の面白い事、好きな事に没頭していた。クウガというライダーが出る…というのは何かで知ったが、その時は「そうなんや」ぐらいのもので…もったいない。


そこから少したち、龍騎で衝撃を受けるまではノータッチ。しかしその後全話視聴完了し、感動して涙をボロボロこぼす事になる。


だから本当のリアルタイム視聴はできていないが、その時…今見ても…どれほど凄い作品なのかは1話でわかっていた。リアルタイムで見て、友達とグロンギ語の翻訳をしたり、グロンギ語で語り合ったりしなかった事を本気で後悔した。いや本当に。


もし何かの間違いでこのブログを見て、かつクウガを見た事が無い人がいたら、これも縁という事でひとつ…ひとつ見てみてはいかがだろうか。今ならジオウ公開記念で、2話までは無料で視聴可能ではなかったか。


では…ゲゲルゾ、ザジレスゾ。