王蛇

おまえ、泥を食った事はあるか?


仮面ライダー王蛇のセリフだ。いや、こいつに仮面ライダーという名前を冠してもいいものかどうか…演じる萩野崇さんはスーパー戦隊もやっていたらしいが、そちらは詳しくは知らない。


悪役好きのもちおとしてはこいつは外せない。非常にカリスマ性の高い悪役で、平成仮面ライダー3作目、仮面ライダー龍騎を代表する敵キャラだ。龍騎はライダーが13人出てきてバトルロイヤルをするという、平成ライダーでも異色作。つまり主人公以外は全て敵と言っていいのだが、それぞれに戦う理由や理念などがあって、いっとき組んだり離れたり、そうした経緯も魅力なのだが…


王蛇は最初から最後まで明確な悪役だった。シザースやガイといった敵もいるが、明らかに格が違う。まあこいつらも殺人犯だったりゲーム感覚で殺し合いをしたり、ロクなものではなかったが。


もちおは、昔タバコのポイ捨てなど、いわゆる悪い事をしてしまった時、「ライダーならこんな事しないよな…」などと思って、ちょっと自己嫌悪したりすることがあった。しかしその後、「でもシザースみたいに殺人したり、王蛇みたいに脱獄したりするライダーもおるな」など思ったりもした。


下を見て安心するというか、そんな感覚…まあ殺人犯などライダーどころか人としても許されないのだが。なんでもかんでも仮面ライダーになる事ができた、龍騎の罪は深い。


しかし王蛇の魅力はそれでも変わらない。冒頭のセリフは衝撃だった。貧しかった、なんでもやって生きるしか無かった、みたいな事が言いたいのはわかるが、泥とか食わんやろ。草とか、なんかあるやろ。後年の映画ではファンサービスとして生魚にかぶりついているらしい。ファンって…